アンカシュ地震・ワスカラン山崩壊(1970年)
1970 Ancash Earthquake (Huascarán Debris Avalanche)
💰 経済的損失: 約5億ドル(当時)
概要
1970年5月31日、ペルー北西部沖を震源とするMw7.9の大地震が発生。地震動だけでなく、ワスカラン山(6,768m)の北壁が崩壊し、毎秒300万立方メートルの氷雪・岩石が時速200〜300kmで流下してランガヒュコとユンガイの2都市を一瞬で埋没させた。死者約70,000人・負傷者150,000人。ユンガイでは22,000人のほぼ全員が即死した。
被害の状況
死者・行方不明
70,000人
死者 70,000人
建物被害
約186,000棟全壊
ランガヒュコとユンガイは完全に岩雪崩で埋没。ペルー全土で約186,000棟が全壊。インフラが壊滅し、救援活動は困難を極めた。
ライフライン被害
アンデス山中の孤立した村落へのアクセスが困難。多くの被災者が数日間救援なしに孤立した。
原因・背景
ペルー海溝でのナスカプレートと南アメリカプレートの境界地震。アンデス山脈の急峻な地形が岩雪崩・土石流を誘発し、地震による直接被害を大幅に超える副次的被害をもたらした。
当時の社会状況
ペルーのフベンリレスFIFAワールドカップ(1970年・メキシコ)出場決定試合が行われていた日曜日の昼間。多くの住民がラジオを聴いていて地震発生を知ったが、ワスカラン崩壊の速度は避難を許さなかった。
📖この災害が残した教訓
- 1
山岳地帯の地震では岩雪崩・土石流等の二次災害が直接被害をはるかに超える場合がある
- 2
急峻な山の直下・谷底への居住・観光は特別な注意が必要。地震時の土砂・雪崩リスクを事前把握する
- 3
時速200km超の岩雪崩から逃げることは物理的に不可能。ハザードゾーンの特定と土地利用規制が唯一の対策
- 4
この地震がペルーの耐震建築コードの制定を促した
- 5
高山・火山地帯の登山・観光者は地震時の山体崩壊リスクを認識する必要がある
✅今日からできる備え
山岳地帯・急峻な谷沿いへの旅行・居住時は土砂崩れ・岩雪崩ハザードゾーンを確認する
日本のアルプス・富士山周辺でも地震による山体崩壊のリスクがある。登山時は気象・地震情報を確認する
山間部の道路は地震・大雨で寸断される可能性が高い。脱出ルートを複数把握しておく
高山観光・トレッキング時は地震発生時の避難場所(高台・開けた場所)を事前確認する
日本でも富士山・御嶽山等の活火山・急峻な山では地震起因の崩壊リスクがある
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出典・参考資料
- ▶USGS - 1970 Ancash Earthquake
- ▶NOAA National Centers for Environmental Information - Significant Earthquakes Database
- ▶UNDRO Report - Peru Earthquake 1970
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